P300とは
P300とは、高頻度の刺激と低頻度の刺激をランダムな順位与えて、低頻度の刺激が提示された数を数えるという課題(=オドポール課題) において、低頻度の刺激が提示されたときに潜時300msに陽性の大きな振幅のピークをもった事象関連電位(ERP)のことです。
P300はブレインコンピュータインタフェース(BCI)や、嘘発見器に使われています。
P300の測定方法
P300の測定にはオドボール課題を用います。 オドボール課題には、音刺激か視覚刺激のいずれかを用います。 音刺激であれば音の高さを2種類用意し、視覚刺激であれば2種類の画像を用意します。
P300は事象関連電位の中では比較的振幅大きな脳波ですが、加算平均をおこないます。 加算平均回数は20〜30回程度です。もちろん低頻度の刺激に対して行います。 高頻度の刺激に対しても加算平均を行い、両者の差をとることで、P300以外の成分(AEPやVEP)を取り除くという方法もあります。
P300以外のERP
ERPの中で最も有名なのは、P300ですが、他にもERPは存在します。 例えば、CNVです。
CNVは随伴性陰性電位といい、何かを待ちかまえているときに生じる電位です。 CNVの周波数はとても低く、電位はマイナスです。 P300のようなピークはもたず、緩やかにマイナスへ振れていく電位です。
これは、刺激を待ちかまえているときに表れます。 詳しい発生機構はわかっていません。
気を付けるべきことは、P300や各種誘発電位を測定するときに、このCNVが紛れ込んでいる可能性があるということです。 P300の解析では2種類の脳波を引き算するので、そのときにCNVを消すことができます。
しかし、引き算を行わない解析の場合、脳波にはこのCNVがふくまれていることがありますので気を付けてください。
スポンサードリンク