脳波測定マニュアル

体性感覚誘発電位とは

体性感覚誘発電位(SEP:Somatosensory Evoked Potential)とは、感覚神経を刺激したときに生じる誘発電位のことです。 体性感覚障害や脳血管障害(予後)などの検査に使われます。

主に病気関係の検査に用いられますが、工学的応用研究で体性感覚誘発電位の測定を行っている研究室もいます。 まずは、体性感覚誘発電位の測定を練習として行い、特徴をつかんでおきましょう。そうすることで、応用研究に生かす可能性が広がります。

体性感覚誘発電位の測定方法

体性感覚誘発電位の測定では、安静状態の被験者に電気刺激を与えます。 電気刺激を用いる理由は、振幅が大きくなるからです。 熱を与えたりしたのでは、うまく測定できません。

電気刺激の繰り返し周波数は1〜5Hzです。あまり、周波数を高くすると被験者が痛みを感じるので気を付けてください。 数百回の測定を行い、解析では加算平均を行います。 また、刺激の強さは調整が難しいのですが、筋肉が軽く収縮する程度とします。

体性感覚誘発電位は、覚醒状態に左右されません。眠っていても起きていても、潜時や振幅は変わりません。 アーチファクトをなくすためには眠っていた方が良いのですが、測定時に被験者に眠ってもらうのは困難でしょう。 ですから、静かに体を動かさず、力がはいらない体勢で行えば問題ありません。

ぜひ、他の誘発電位(視覚誘発電位や聴覚誘発電位)との違いを調べてみましょう。 さまざまな脳波を測定してその特徴の違いを見抜くことは、脳波研究をするうえで重要なことです。


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