脳波測定マニュアル

視覚誘発電位とは

視覚誘発電位(VEP:Visual Evoked Potential)とは、視覚刺激を見たときに生じる誘発電位のことです。 潜時100ms程度にはじまり、いくつかのピークをもちます。 刺激の提示頻度を上げた場合に生じる視覚誘発電位を特に定常状態視覚誘発電位(SSVEP:Steady State Visual Evoked Potential)といいます。

視覚誘発電位は視神経の検査などに用いられます。

視覚誘発電位の測定方法

視覚誘発電位の測定では視覚刺激を用意する必要があります。 脳波計測用に作られた視覚刺激発生装置などを用います。 視覚刺激にはフラッシュ刺激やパターンリバーサル刺激などが存在しますが、一般的に用いられるのは後者です。

パターンリバーサル刺激は、白黒のチェッカー模様の白黒が一定の時間間隔で反転します。視神経は、単に明るい光よりも、白黒のコントラスとに反応することが知られているからです。

測定は暗室で行います。 被験者の脳波が落ち着いたのが確認できたら測定を開始します。 視覚誘発電位は加算平均法を用いないと、抽出するのが困難であるため、複数回測定します。 測定回数は、20〜50回程度です。

測定回数は多いほうがS/N比の高いデータがてに入りますが、被験者の負担を考慮して回数を決定します。 このときに、視覚刺激を停止したタイミングがわかるように、測定データの1チャネルにトリガ情報を埋め込んでおきます。

フラッシュ刺激は、単純に光を被験者に見せます。 光がつく瞬間をオンセット、光が消える瞬間をオフセットといいます。 オンセットとオフセットでは異なる脳波が得られることがしられています。

しかし、両者を使い分ける必要は特にはないので、通常は一瞬だけ光る刺激が用いられる場合が多いです。 その場合は、オンセットもオフセットもほぼ同時に起きます。


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